認定結果非該当でも後遺障害慰謝料が認容される場合があることを説明しています。

非該当でも後遺障害慰謝料が認められる場合はある

認定等級と後遺障害慰謝料との関係

 裁判所や保険会社は、後遺障害慰謝料額の算定にあたって、自動車損害賠償保障法施行令別表(以下、「別表」といいます。)を非常に重視します。

 

 裁判所は、認定等級毎に認容する後遺障害慰謝料額を定型化(相場化)しています。
 保険会社も、裁判所の運用に準じて、賠償提示する後遺障害慰謝料額を定型化しています。

 

 等級結果が「非該当」であった場合、保険会社が自発的に後遺障害慰謝料を提示することはありません。

 

 ただし、等級結果が非該当であったとしても、裁判所は後遺障害慰謝料を肯定する場合があります

 

 

等級認定が非該当であった場合の後遺障害慰謝料に関する裁判所の運用

 後遺障害慰謝料は、あくまでも身体的異常(または精神的異常)が残存したことによる精神的苦痛に対する金銭的補償です。
 当たり前のことですが、等級認定されたこと自体への金銭的補償ではありません。

 

 等級認定が「非該当」であっても、実際に身体的異常(または精神的異常)が残存していることを立証できれば、裁判所はある程度の後遺障害慰謝料を認定します。

 

 例えば、顔面に2pの線状痕が残ったとします。
 後遺障害認定される線状痕は3p以上のものですので、この場合、等級認定は「非該当」となってしまいます。
 しかし、たとえ2pであっても、身体的異常であることには変わりませんし、線状痕が残ったことによって精神的苦痛を被るであろうことは否定できません。
 よって、裁判所は、このようなケースにおいても、一定の後遺障害慰謝料額を認定します。

 

 等級認定「非該当」の場合に裁判所がどの程度の慰謝料額を認容するかは一概にはいえません
 実際に残存している身体的異常の態様や重症度と等級毎の後遺障害の態様や重症度を比較し、等級に応じて認容する後遺障害慰謝料額よりも低額にするべきか、場合によっては高額にすべきか、検討していくことになると思います。

 

 

 

 後遺障害が残っているにもかかわらず、等級認定が「非該当」だったことを理由にして、後遺障害慰謝料額の支払いを拒絶されている場合、桜風法律事務所にご相談ください。

弁護士窪川亮輔

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