自営業者の休業損害金の請求方法をご説明しています。

自営業者の休業損害金

自営業者の休業損害金

自営業者の休業損害金は、利益額に対して休業相当期間を乗じて算出します。

 

利益額とは売上額から経費額を差し引いた残額のことをいいます。

 

もっとも、経費のうち固定経費については休業損害金として請求ができます。

 

固定経費とは、店舗家賃、従業員の給与、保険料、減価償却費用など稼働していなくても支出せざるを得ない経費のことをいいます。

 

式にすると
自営業者の休業損害金=(売上−総経費+固定経費)×休業相当期間
となります。

個人事業主の休業損害の一般的な証明方法

 個人事業主が休業損害金を請求するにあたって加害者側に提出する資料は一般的に事故前年度に作成した確定申告書です。

 

 確定申告書に記載された売上額、総経費、固定経費をもとにして、個人事業主の所得金額を算出していきます。

個人事業主が事実と相違ある確定申告をしている場合の休業損害

正確な金額を申告していない場合の問題点

  確定申告書では実際の収入金額を把握することはできません。
  したがって、収入を立証する資料が確定申告書しかないのであれば、確定申告書に基づいて算出した収入額のみ請求できるのが原則です
  もっとも、事故前年度の確定申告書以外の資料をもって実際の収入金額を立証できるのであれば、実際の収入額に見当たった休業損害金を請求することが可能です。

どのような資料により立証するか

 自営業とひとくくりにいっても、業務態様や業務に付随して作成する資料も様々であり、ひとまとめに「こうすればよい」と言えるわけではありません。
 もっとも、どのような自営業者であっても、以下のような視点をもって立証方法を検討していくことになります。
@できるだけ業務の実態を明らかにする。
  例えば、業務に際して作成した帳簿、メモ、領収書、日常の業務に利用している口座の通帳の写しなどの提出が考えられます。
A自らの家計を明らかにする。
 人が生活を送るにあたってはある程度の生活費が必要です。
 生活費は通常労働によって入手します(ただし、被害者の世帯での立場によってはこの限りではありません。)。
 一ヶ月の生活費および被害者の世帯での立場を明らかにすることによって、収入額のある程度までの立証が可能となる場合があります。

 

弁護士窪川亮輔

関連ページ

休業損害金を請求するにあたってするべきこと
休業損害の一般的な請求方法についてご説明しています。
休業の相当性があることを証明する
期間を理由とする休業損害金の不払いに対する対応方法をご説明しています。
会社役員の休業損害金
役員報酬のうち休業損害金として認められるべき金額、及びその金額の請求方法についてご説明しています。

ホーム RSS購読 サイトマップ